(短歌)井上法子さんの一首
・運命にしだいにやさしくなりひとは災いとしてすべてをゆるす
(歌集:永遠でないほうの火 井上法子)
もうめちゃかっこいいですよね。
普遍的なことを短歌に落とし込むと独特の抽象性がでる気がします。中澤系さんの歌なんかそんなタイプが多い気がします。中澤系さんめっちゃ好き。どちゃくそやばい。
井上さんは福島県出身ということもあったので上記の歌は、震災によりひっくり返され、大きく変えられた日常に少しずつ慣れていき、折り合いをつけていった、3.11フクシマの一連の流れを詠んだものだと予想しました。全然違うかも知れない。
ただ私は、
運命にしだいにやさしくなり → 同調圧力的空気感への慣れ、あきらめ
災いとしてすべてをゆるす → なにかあってもあれはしょうがなかったとなる
みたいな感じで当初読み取ったので、違和感があってもなんとなく指摘しない空気、そして何かあったらあれは仕方なかったとなる、山本七平的な日本の空気感を表現したとてもスケールの大きいな歌に思えました。全然違うかも知れない。
解釈はおいておいてもかっこいい歌ですね。今のところ個人的にこの歌集のなかで一番好きな歌でしたが、ほかにも素敵な歌たくさんあるのであくまで今のところです。ふふ。
ほかの歌も違ったベクトルでかっこよくてスゲェなと思いました。
これからもどんどん歌集をだしてほしい一人です。